【1分で話せ】バンダイナムコネクサス沓木様 お薦め書籍インタビュー

本インタビューでは、バンダイナムコネクサス沓木様に、お薦め書籍、情報収集方法、キャリア、仕事内容などについてお伺いしました。

 

沓木さんについて

アプリゲームのレベルデザイナーやデータアナリスト、アプリのプランナーを経験した後、BIツールやダッシュボードの開発を経験、その後再びデータアナリストとしてアプリの分析に携わる。現在はバンダイナムコネクサスにて、プロジェクトマネージャーとしてダッシュボードの開発を中心としたプロジェクトに従事。

沓木さんインタビュー

お薦め書籍「1分で話せ」について

ー 今回紹介する書籍のタイトルと、その内容について教えてください

沓木:今回お勧めするのは、「1分で話せ」という本です。これは私が昔読んで、とてもためになった本です。相手にどのように伝えるといいのかが凝縮されているので、お薦めしたいと思います。

 

書籍概要

ソフトバンクの孫社長から認められるほどのプレゼン技術の持ち主であり、グロービス講師、ヤフーアカデミア学長として、起業家からビジネスパーソンまでプレゼンを指導している伊藤羊一氏による書籍。本書では「1分で話せないような話は、どんなに長くても伝わらない」という考えのもと、伝わる伝え方の「型」の部分だけでなく、「結論の決め方」、「言い切れない」というメンタルの部分の話から、1分で記憶に残す方法など、誰でもできる方法を紹介している。

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ー 具体的にどのような内容が書かれていますか?

沓木:この本では、相手に伝わる話し方が実践形式で紹介されています。例えば、「プレゼンのロジックは、1つの結論とそれを支える3つのピラミッドで作る」といったことが書いてあります。私は以前から伝えることが苦手で、周りくどい話し方をしてしまうことが多かったのですが、この本を読んでシンプルな伝え方ができるようになりました。

 

ー データ分析をしている中でも、報告する場面が多いと思うので、そういった場面でも役立ちそうですね。

沓木:はい、報告するときには、この本の内容を参考にしています。データ分析の報告においては、手法の説明を求められたり、データの詳細が気になったりと、議論が横道にそれやすい傾向があるので、分かりやすく伝えることが大切だと感じています。

 

ー 具体的に業務で役立った経験やストーリーはありますか?

沓木:業務全般で役立っていますが、特に明確に変わったと感じたのは、相手の反応が変わったことです。この本のポイントを理解してから報告に臨むと、今までと同じ内容でも、話し方を変えることができます。すると、相手の反応が変わり、コミュニケーションがスムーズになりました。例えば、今までの話し方だと、「うんうん」、「あぁ、なるほどね」くらいの反応で、話した内容を聞き流されることもあったのですが、この本の話し方を活かして話すようになってからは、話した内容を聞き流されることはほとんどなくなり、相手の反応も、「これってどういうことなの? 詳しく教えてよ」といった反応で、分析内容についての疑問について具体的に尋ねられることが増えました。相手の理解が深まり、きちんと伝わっているんだなということを実感しています。

 

ー この書籍をどのような方にお勧めできると思いますか?

沓木:基本的には、よくプレゼンする方や話し方が周りくどいと言われたことがある人にお勧めできると思います。また、もっとうまく伝えたいという方にも役立つと思います。

 

ー データサイエンス系の職種において、どのポジションの方がこの本の内容をうまく活用できると感じますか?

沓木:私はどのポジションでも活用できると思っていますが、特にプロジェクトマネージャーやデータアナリストの方にとっては良い本だと思います。

 

ー 確かに、データアナリストの方は、データから結論を導き、仮説を話し、その根拠を説明する手順が重要ですもんね。一方で、データサイエンティストのような報告内容が複雑になりがちなタイプの人にはどうでしょうか?

沓木:データサイエンティストの場合は、書籍の内容を活用しきれないケースもあると思います。データサイエンティストの報告の場合は聞き手によって興味を持つポイントが変わるため、聞き手に合わせて話す内容を変えることが必要になります。この本では、そういった内容について触れていないので、データサイエンティストの方の報告では、本書の内容に加えて、他の書籍も必要になるかと思います。

 

ー なるほど。つまり、データアナリストのように、ある程度仮説がしっかりとしているポジションの方が、伝わるような話し方ができるということですね。ありがとうございます。

 

情報収集方法について

ー 普段の情報収集についても教えて下さい。こちらのインタビューが掲載されるDataLearningBibliographyでは、「データサイエンスの学習者と学習コンテンツをマッチする」というコンセプトで運営をしています。読者の方が効率的に情報収集ができるように、学習コンテンツや最新情報などの情報収集の方法を教えて頂けないでしょうか?

沓木:使いたい技術ややりたいことがあった時に、それを実現するための情報を調べることが多いです。例えばデータ基盤を作りたいとか、ある分析をしたいと思った時、どんな技術があればできるのかを調べることが多いです。一方で、最新の情報をキャッチアップすることはなかなか難しいと感じています。

 

ー 事例ベースで最新知識をアップデートしていく形なのですね。最新技術のキャッチアップはなぜ難しいのでしょうか?

沓木:そうですね。現場レベルだとやることベースで、都度モダンなアーキテクチャを選択して、その中で少しずつアップデートしていくという形が現実的なのかなと思います。AWSやGCPに特化したベンダーさんでもない限り、幅広い知識を継続的に学習していくというのはなかなか難しいと思います。公式ドキュメントなどを読みながら、少しずつ知識をアップデートしています。

 

ー 公式ドキュメントを中心に知識をインプットされているんですね

沓木:はい、基本的には公式ドキュメントを中心とした一次情報を取得するようにしています。一次情報や公式ドキュメントはほぼ正確な情報が記載されています。一次情報であれば、「書かれている内容が正しいかどうかを確認しながらリサーチする。」という手間がかからないため、効率的に知識をインプットすることができます。しかし、全ての情報があるわけではないので、ブログ記事などを参考にすることもあります。その場合は複数のサイトから該当トピックについて書かれていることを探し、記載されている内容を検証して、どのサイトの情報が正しいのか見極めながら利用しています。

 

ーなるほど、まずは基本的な一次情報を取得し、それで不十分だったら別のブログや記事を参照して、複数サイトを確認しながら情報を調べていくわけですね。

沓木:はい、「ネットには嘘が溢れているので、真偽を見極める力が必要」と言われますが、一次情報であればほぼそのチェックが不要なので、まずは一次情報を確認することをおすすめします。

 

キャリアについて

ー ここからは、具体的にキャリアについてお話を伺いたいのですが、沓木さんのこれまでの経歴を簡単に教えていただけますか?

沓木:はい。私はバンダイナムコネクサスに入社する前は、アプリゲームのレベルデザイナーとして、ゲーム内のパラメーターやカードの性能を決めるような仕事をしていました。また、アプリのプランナーやデータアナリストなどの業務にも携わってきました。その後、BIツールやダッシュボードの開発を行うような会社に転職し、その後またデータアナリストに戻りました。そして、バンダイナムコネクサスへ入社して、プロジェクトマネージャーとして働いています。

私自身がゲームがすごく好きなので何かしらゲームに関連することや、IP(アニメーション・漫画などの知的財産のこと)に関わりたいなという気持ちが強くあります。そのため経歴としても、アプリゲームを中心とした経歴となっています。多くのIPとゲームに関わることができるバンダイナムコネクサスに魅力を感じ、中途入社で現職に転職しました。

 

ー ゲームが好きが転じて転職に繋がったのですね。ゲーム好きということが、分析の役に立っていると感じる点や、逆にマイナスに感じる点などを教えて頂けないでしょうか?

沓木:ゲームが好きだと、特に業界の調査をしているという意識なく新しいゲームの情報が自然と入ってきます。そのため、会議での話題にすぐについていけたり、他のタイトルの話に繋げることができます。その点でゲーム好きでよかったと感じます。一方で、ゲームが好きすぎると、特定のタイトルに固執してしまうことがあり、それは良くない点だと思っています。自分が好きなタイトルだと贔屓目に見てしまって、フラットな目線で分析結果を見れなくなってしまうんですよね。その反面、ゲームを趣味としていない方は、分析結果をフラットな目線で見ることができるので、その点で非常に強いと感じます。

 

ー 確かに、好きなタイトルやIPに注力したくなる気持ちはよく分かります。特定のタイトルを分析する際には、そのタイトルが好きな方とフラットな方、どちらも居るような状況でチームを組むことが大事なのかもしれませんね。

沓木:そうですね。両方のタイプの人がいると、チームとしてバランスが良いと思います。

 

現在の仕事について

ー なるほど、たしかにチームのバランスは重要そうですね。良い分析を行うためには、仕事内容や環境も重要だと思うのですが、どのような環境で働かれているのでしょうか?

沓木:まず、現在関わっているプロジェクトについてお話すると、事業部の業務効率化のためのダッシュボードを作成しています。各事業部で蓄積されているデータを収集・蓄積し、それを活用して業務効率を上げるためのダッシュボードを作り、集めたデータから新たな発見を得て、より貢献できるようなものを作成しています。

 

ー 技術としてはどのようなものを使うことが多いですか?

沓木:技術的には、主にGCPの知識全般や、特にBigQueryを用いています。現在のプロジェクトでは、データの見える化に注力し、そこから分析を進める方針で進めています。今後は、Pythonの知識や統計的な手法を用いて新しい発見をすることや、効率的な分析を行っていくことを目標にしています。それ以外にも、機械学習手法も活用していく予定です。

 

ー 仕事の中でどのようなところに面白さややりがいを感じますか?

沓木:私が一番面白いと思うのは、相手が納得した感じで「なるほどね」と言ってもらえる瞬間です。それが、今までなかった発見や新しい方法を見つけて報告・共有したときに感じられるやりがいだと思っています。新しい価値を提供できると実感できるポイントが、やりがいを感じる瞬間ですね。

 

ー 確かに新しい発見をすることは面白いですよね。それによってサービスも改善していくわけですし。

沓木:そうですね。新しい真実や発見によって、経験豊富なゲームの開発チームが、より活躍できる状況になったり、そこから生まれる新たな疑問や発展を見ていくことが面白いと感じています。これらが連鎖していく様子を見ることで、サービスの満足度や問題の解消が進み、ゲーム開発者、ゲームを遊んでくれるプレイヤーの方、分析者の皆がWinWinな状況になれると思います。

 

ー ありがとうございます。最後に、データ人材に向けたメッセージがあればお願いします。

沓木:最近はデータが非常に重要視される時代になってきていますが、まだまだ活用できていない企業が多いと思います。しかし、今後ますますデータが重要になってくるし、データがあるだけで様々なことができるようになります。そのため、データ分析を共に行い、リードできる立場につきたいと思います。競合する企業や職種であっても、お互いに協力して共有することで、レベルの高い業界になれるよう頑張りましょう。皆さんも一緒に勉強しましょう。

 

バンダイナムコネクサス様 採用情報

今回インタビューに答えていただいた沓木様が所属するバンダイナムコネクサスでは、キャリア採用を積極的に募集しています。

バンダイナムコネクサス様でのお仕事に興味がある方は、以下のリンクをご参照ください。

現在募集しているキャリア採用のポジション

 

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