マンガでわかる統計学 因子分析編

書籍キャッチコピー
アンケート調査、因子分析を学び始める人のための一冊
著者名
高橋 信
出版社名
オーム社
価格
2420
ページ数
248
出版年月日
2006/10/26


本書のポイント

  • 自身のレベルにあった読み方をすることができるため、初学者でも挫折しにくい。
  • アンケート調査〜分析まで、因子分析の基礎をストーリーで学ぶことができる。
  • 主成分分析の章では、軸の意味づけや寄与率の説明、因子分析の章では、因子負荷量や回転といった結果を解釈するための知識が学べる。

レビュー

統計学、データ分析の本は、初学者向けの抽象的な本専門性の高い本に二極化している。本書は専門性を残しつつも、概念図が豊富に描かれているため直感的に理解することができることが特徴だ。喫茶店のアンケート評価調査をもとにしたストーリーであるため、内容が想像しやすく理解もしやすい。アンケート調査、主成分分析、因子分析について学びたい初学者に最適な『専門性と読みやすさ』のバランスがとれた入門書だ。

アンケート調査の章では、だれに答えてもらうかを選ぶ標本抽出法、標本の大きさの目安、質問の仕方などが紹介されている。質問の仕方は、答えてもらいやすいようにする「回答者目線の質問の仕方」と、価値のある結果を出しやすいようにする「分析者目線の質問の仕方」が書かれている。実務で自分の仮説を検証するための質問を考える際に参考になるはずだ。

  主成分分析、因子分析の章では、分析手法の中身を理解するための説明がなされている。3章からは数学の要素が強くなるが、丁寧な行列計算が書かれているため、慣れていない方でも式を追うことが出来る。分析のポイントのみを知りたい方は、計算式を飛ばして読み進めても問題ない。全体を通して、統計理論が記載されているわけではなく、出した結果がどんな意味を持っているのか、に焦点があるため実務者に適した内容になっている。

それぞれの章には、固有値・固有ベクトル、最尤法といった実用的で高度な統計概念の紹介もされているため、統計を学び始める人だけでなく、統計検定準一級相当の知識をつけていきたい人が読んでも学ぶことが出来る一冊である。

目次

第1章 アンケートの基礎知識
1.標本抽出法
2.調査方法
3.標本の大きさの目安
4.無作為抽出法と有意抽出法
5.量的調査と質的調査
6.データ分析の取り組み方

第2章 調査票と質問
1.調査票の構成
2.質問の分類
3.避けるべき質問
4.避けるべき質問(続)
5.「真ん中」の存在

第3章 数学的な基礎知識
1.相関行列
2.単位行列
3.回転
4.固有値と固有ベクトル
5.対称行列
6.行列の補足
7.偏差平方和・分散・標準偏差

第4章 主成分分析
1.主成分分析とは
2.主成分分析の注意点
3.主成分分析の具体例
4.変数の選択と第1主成分
5.第1主成分と総合力
6.累積寄与率の目安
7.第2以降の主成分
8.分散と固有値

第5章 因子分析
1.因子分析とは
2.因子分析の注意点
3.因子分析の具体例
4.本章の例における標本
5.注意点の補足
6.因子負荷量の値が小さな変数の処遇
7.最尤法
8.なぜ回転というとバリマックス法ばかりなのか
9.因子負荷量行列と因子構造行列
10.ブロマックス法
11.仮定できる共通因子の個数の上限
12.主因子法とバリマックス法を「過去の遺物」扱いすることに対する疑念
13.因子分析における用語

付 録 さまざまな分析手法
1.多変量解析
1.1 多変量解析の概要
1.2 重回帰分析
1.3 ロジスティック回帰分析
1.4 クラスター分析
1.5 コレスポンデンス分析と数量化Ⅲ類
1.6 構造方程式モデリング
2.その他
2.1 統計的仮説検定
2.2 カプラン・マイヤー法

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あおた

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