Pythonではじめる数理最適化 ケーススタディでモデリングのスキルを身につけよう

書籍キャッチコピー
現実問題を通じて数理最適化を学ぶ
著者名
岩永 二郎, 石原 響太, 西村 直樹, 田中 一樹
出版社名
オーム社
価格
3080
ページ数
312
出版年月日
2021/09/21

サンプルPythonコードリンク



本書のポイント

  • 本書は数理最適化の専門書ではなく、身近な問題を扱った実用書である。
  • 学校のクラス編成、輸送車両の配送計画、数理最適化APIとWebアプリケーションの開発など代表的な問題を課題定義から定式化、Pythonによる数理モデリング・実装までを学ぶことができる。

レビュー

初めて数理最適化を学び始めるとき、専門書の難解なアルゴリズムを見て挫折することがある。また、学んだ数理最適化の手法を自分でプログラムを組んで実装しようとして、うまく数理モデリングを実装できずに頓挫することもある。

本書は数理最適化を実際の問題に対して使ってみたい、と考えている初学者にとって、代表的な実問題の定式化とPythonによる実装の両方を学ぶことができる実用書である。

専門書との大きな違いはアルゴリズムの詳細の説明は割愛し、pulpなどのPythonのライブラリを使うことで、実問題に焦点を当てて解説がなされている点である。これにより、読者はアルゴリズムを意識せずに問題の要件や定式化を集中して学ぶことができる点が特徴だ。

また、本書のもう一つの特徴として取り扱っている実問題の幅広さがある。学校のクラス編成、割引クーポンキャンペーンの効果最大化、輸送車両の配送計画、数理最適化APIとWebアプリケーションの開発、商品推薦のための興味のスコアリングといった多くの実問題について丁寧な解説と実装を学ぶことができる。どの実装も汎用性があり、読者の実課題を解く際に参考になる内容だ。

数理最適化を使って実際の問題を手を動かしながら解いて行きたいと思っている初学者や実際の実務に使ってみたいと考えている実務者にとって参考になる一冊である。

目次

第Ⅰ部 数理最適化チュートリアル
 第1章 数理モデルとは
 第2章 Python数理最適化チュートリアル

第Ⅱ部 数理最適化のケーススタディ
 第3章 学校のクラス編成
 第4章 割引クーポンキャンペーンの効果最大化
 第5章 最小コストで行う輸送車両の配送計画
 第6章 数理最適化APIとWebアプリケーションの開発
 第7章 商品推薦のための興味のスコアリング

Appendix メソッド・関数早見表

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レビューワー

Toru_Hasegawa

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