コンサル一年目が学ぶこと

書籍キャッチコピー
究極のベーシックスキル30選 職種。業界を問わず一生役立つ
著者名
大石 哲之
出版社名
ディスカヴァー・トゥエンティワン
価格
1650
ページ数
224
出版年月日
2014/07/30


本書のポイント

  • データサイエンティストとして、ある意味最も顧客に求められるスキルに関して触れている。
  • 本書で学べるビジネススキルによって、データサイエンティストとしての分析力は同じでも、顧客から数ランク上の評価が期待出来る。
  • 結論の正確さは担保されつつも、判りやすいアウトプットとはどういうものか、またそうするためにはどこに留意すべきかを「判りやすく解説」している。

レビュー

データを分析し、そこから価値ある結論を導き出す・・・・・・、これがデータサイエンティストの本領発揮の部分である。しかし、ことビジネスにおいては、まだ「数ある工程の1つが終わっただけ」である。

データサイエンティストである「アナタ」を評価してくれるのは、「顧客」という生身の人間であるという「絶対要素」を忘れてはならない。この「顧客」というシステムは、感情的であり、一般的なデータサイエンティストより非論理的であり、レポートの理解力が低く、実に厄介である(かのように見える)。データサイエンティストが分析の結果導き出した「おおよそ正しい仮説」に対し、いくら詳しく説明しても報告を聞いている顧客は険しい顔をしている・・・・・・、こんな経験を持つデータサイエンティストは少なくない。こういう場合、多くのデータサイエンティストは「分析の精度をあげる努力」をするが、大抵はその努力と熱意は評価されない。それは一体なぜなのか?

本書は、この「なぜ、正しい分析結果/結論が受け入れられないのか?(判ってもらえないのか)」という問いに対して、実に科学的に取り組み、確実に評価に繋げる為のメソッドを紹介している。全ホワイトカラーのビジネスマン(もちろんデータサイエンティストも含む)が最初に手にすべきビジネス書といっても過言ではない。

計算機の世界では「速さ・正しさ・正確さ」が絶対正義である。そして速い/正しい/正確であればそれで済む。しかし人間社会ではそうはいかない。本書では、「速さや正しさや正確さ以上に重要な要素がある」ということと、それへの対処・対応方法を示している。

では「速さ・正しさ・正確さ以上に重要な要素」とは何か? それは「判り易さ=伝わる伝え方」である。これは人間が計算機と最も異なる部分=誤解をするという要素が原因である。計算機は誤解をしないが、人間は「誤解をするシステム」である。そしてデータサイエンティストに限らず、多くのビジネスマンがこの誤解を回避する方法、つまり伝え方に関して知見が無い。

本書をきれいにトレースすることで、同じ分析結果でも顧客の反応は180度変わり、自身へのこれまでの評価が一変するだろう。いよいよAIが「使えるコードを出力し始めた」今日、データサイエンティストとして生き残っていくための必須スキルがここにある。

目次

第1章 コンサル流話す技術
第2章 コンサル流思考術
第3章 コンサル流デスクワーク技術
第4章 プロフェッショナル・ビジネスマインド

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レビューワー

吉村 政彦 AIPA マスター・コンサルタント 兼 同神奈川県地区長

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