データ分析力を育てる教室

書籍キャッチコピー
仮説を作って、意思決定につながる技術を学ぶ!
著者名
松本健太郎
出版社名
マイナビ出版
価格
2299
ページ数
245
出版年月日
2022/06/28


本書のポイント

  • 「データ分析はどのようにやっていくのか?」を一連の流れで知ることができる
  • 「データをどのように見るか」「仮説をどのように立てるか」「分析結果を相手にどのように伝えるといいか」など、データ分析で本当に必要な内容を、簡単な例とシンプルな文章で解説している
  • PythonやRなどのコードの記載がなく、プログラミングをやったことがない初学者でも読みやすい

レビュー

データ分析の本は「データ分析とは何か」について読者が理解している前提で記述されているものがほとんどだ。しかし、初学者にまず必要なのは、そもそも「データ分析は何か」を理解できる教材である。本書はデータ分析の初学者でも、データ分析の一連の流れを体系的に学べ、「データ分析は何か」を知ることができる一冊である。

本書の1つ目の特徴は、データ分析の一連の流れを知ることができることである。一般的なデータ分析の本では、解析手法やプログラミングの仕方など、ピンポイントで具体的な手段を解説したものが多い。そのため、初学者だと、そもそもデータ分析ってどのようなフローで行うか分からないため、仕事の進め方のイメージしづらく、いざデータ分析をした際、学んだ手法を使いたいがためにあまり意味がない分析をしがちである。一方、本書ではピンポイントの手法に関する内容ではなく、問いを立てるところから仮説をたて、それを証明し、結果を伝えるというデータ分析の一連の流れを知ることができる。なので、初学者の方はこれを読むことで「どのようにデータ分析は進めるか」イメージすることができ、いざ実践した時に大きな失敗を防ぐことができる。

2つ目の特徴は、データ分析で必要な「仮説構築」「仮説検証」について小学生でもわかるような例や図を用いて理解しやすい構成で解説されていることである。例えばいちごの個数や大学受験などだいたいの人が知っている、体験したことがある話題が出たり、問題設定や因果関係を文章だけでなく、ブロック図を用いるなどわかりやすく工夫がされている。また、文章自体も非常にシンプルで難しい言葉が使われていないため、初学者でも安心して読み進めることができる。

3つ目の特徴は、PythonやRなどのコードの記載がなく、プログラミングもやったことがない初学者でも読みやすいことである。例えばデータ分析の本を読もうとすると、実際にPythonやRのコードを書いて理解していくものが多い。そのため、プログラミングをしたことがない初学者の方がデータ分析を学ぼうとして本を読んだ際、非常にハードルが高く感じることがある。一方、本書ではプログラミングのコードが一切記載されていないため、プログラミングをしたことがない初学者でもハードル高く感じず、読み進めることができる。PythonやRのプログラミングも同時に学びたいという人には他の書籍を読むことをおすすめする。

このように本書は「データ分析をこれから勉強し始めたい」というデータ分析初学者は特におすすめであり、またデータ分析を結構やっている人でもいい気づきを与えてくれる一冊となっている。

目次

第1章 データ分析とは何だろう?
第2章 問いから始まる
第3章 仮説をつくる
第4章 観察と洞察
第5章 証明
第6章 伝わるコミュニケーション

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レビューワー

Yu Ohta

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