ダブルハーベスト 勝ち続ける仕組みを作るAI時代の戦略デザイン

書籍キャッチコピー
「アフターデジタル世界」を生き残る”何度でも”稼ぐ思考法
著者名
堀田 創, 尾原 和啓
出版社名
ダイヤモンド社
価格
2420
ページ数
248
出版年月日
2021/04/14


本書のポイント

  • ハーベストループはライバルを寄せ付けないほどの競争優位を一度だけではなく、何度も作り出す、勝ち続けるための仕組みである。
  • 事業を通じて得られたデータがAIを強化し、更に事業を強くするというループ構造を作って初めて、AI戦略は機能する。
  • AI自体はすでにコモディティ化しており、一つのループ構造では簡単に他社にマネられてしまうため、二重三重のループ構造を持つハーベストループを設計することが重要である。
  • 本書では上記のハーベストループを用いたビジネス設計を学ぶことができる。

レビュー

ビッグデータという言葉は今も流行っている。データを持っていたら勝者になれる「データ・イズ・キング」だと言う考え方もあった。しかし、実際にビジネスではデータを持っていれば勝ち続けられるわけではないということがわかってきた。なぜなら、今、ビッグデータともてはやされているほとんどデータはストック型の過去のデータであり、変化の激しい現代社会においては万能ではないという事実が明らかになってきたからだ。

一方で、AI技術が発展した現代においては使い勝手の良いデータはどんどん流れてくるフロー型のデータだ。つまり、AI時代である現代において、如何にデータがリアルで入ってくる仕組みを作り、AIを強化していく仕組みを作ることができるかどうかが勝敗を分けるのである。

本書では、勝ち続ける続ける仕組み、必要なデータを自ら育てて収穫するAI化を前提としたビジネス戦略フレームワーク「ハーベストループ」を提案している。このフレームワークで重要なことは、AIがコモディティ化した現代においては1つのハーベストループではあまり競争優位にはならないということであり、2つ以上、つまりダブルハーベストループやトリプルハーベストループを設計する必要があるということだ。

この点について本書では考え方だけではなく、モービルアイ、ローギークス、フェイブ等の実例を通じて、如何にビジネスの過程でデータが溜まり、そのデータを使って更にAIを強化し、UVP(価値提案:Unique Value Proposition)を向上させ、最終的に他社を完全に寄せ付けない勝ち続ける仕組みを構築していくのかを紹介している。

また、本書の隠れたテーマとして、事業におけるパーパスの大切さがある。作り上げたハーベストループの成長の先にどんな未来があるのか、なぜやるのかを明確にし、パーパスとハーベストループを繋ぐことを考えていると、自然と面白い未来に行けるようなワクワク感を感じずにはいられない、本書はそういう本だ。

新しいビジネスモデルに挑戦したいすべてのビジネスパーソン・起業家に役立つ一冊だ。

目次

【Prologue】勝敗を分ける「何重にも稼ぐ仕組み」──ハーベストループとは何か?
【Chapter 1】AIと人とのコラボレーション──ヒューマン・イン・ザ・ループ
【Chapter 2】AIで何を実現するかを見極める──戦略デザイン構築のための基盤づくり
【Chapter 3】戦略基盤を競争優位に変換する──戦略デザインとしてのAI
【Chapter 4】データを収穫するループをつくる──ハーベストループでAIを育てる
【Chapter 5】多重ループを回して圧勝する──ダブルハーベストこそ最強の戦略
【Chapter 6】ハーベストストーリーを実装する──AIプロジェクトマネジメントの考え方
【Epilogue】地球をやさしく包む「最後のループ」──SDGsとハーベストループ

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レビューワー

Toru_Hasegawa

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