最短コースでわかる PyTorch &深層学習プログラミング

書籍キャッチコピー
ビギナーからベテランエンジニアまでAI開発者のための独習ガイド
著者名
赤石 雅典
出版社名
日経BP
価格
3663
ページ数
584
出版年月日
2021/09/17

サンプルPythonコードリンク



本書のポイント

  • Pytorchを理解するために必要な機械学習・深層学習の基礎を丁寧に説明している。
  • サンプルコードがWebに上がっており、すぐにプログラムを動かしながら読むことができる。
  • 誰でも最短で理解できるように、少ない数式と豊富な図で専門用語を解説している。



レビュー

PyTorchとは、Pythonのオープンソース機械学習ライブラリ(DeepLearningライブラリ)で、初版が公開された2016年から徐々に注目を集め、現在ではPythonの機械学習ライブラリとして高い人気を誇っている。たとえば、kaggleで画像系のコンペで使われているのを見たことある人もいるかもしれない。

しかし、いざkaggleなどでPytorchを初めて使おうとした際に、機械学習に慣れていない人やそもそもPythonを使ったことない人だと、テンソルなど専門用語が多く、とっつきにくいと感じている人は少なくないであろう。そんな人におすすめしたいのが本書である。

本書の1つ目の特徴としては、Pytorchを説明する前に機械学習・深層学習の基礎から丁寧に説明しているところである。まずpytorchを使おうとする際に、機械学習や深層学習の基礎を理解することは必要不可欠である。本書は、機械学習や深層学習の基礎を丁寧に説明しているため、全く機械学習を触ったことがない人でもウェルカムな一冊となっている。

2つ目の特徴としては、サンプロコードがWeb(GitHub)上に上がっているため、すぐにプログラムを動かしながら読むことができることである。よく機械学習や深層学習の教材では、サンプルコードが豊富に載っているものが多くあるが、Pythonをいじったことがない初学者が読もうとした場合、環境構築から取り組まないといけないため、実際に教材を読むまでに時間がかかってしまうケースが多くある。しかしながら、本書ではサンプルコードが既にGitHub上にGoogle Colaboratoryで動かせる状態で置いているため、初学者でもすぐにプログラムを動かしながら本書を読むことが可能である。

3つ目の特徴としては、本書の題名にも書いてある通り、誰でも最短で理解できるように数式が少なく、豊富な図で説明しているところである。機械学習・深層学習をする際に数式が多く載っているものがよく見られる。しかし、本書ではできるだけ数式を少なくし、代わりにブロック図など図式で専門用語の説明をしているため、数学にあまり慣れていない初学者でも短い時間で理解することができる。

このように本書では、「Pytorchを初めて使ってみたい人」や「Pytorchについて素早く理解したい」という人におすすめの入門書である。

目次

◆基礎編
1 章 ディープラーニングのためのPython のツボ
2 章 PyTorch の基本機能
3 章 初めての機械学習
4 章 予測関数の定義

◆機械学習 実践編
5 章 線形回帰
6 章 2 値分類
7 章 多値分類
8 章 MNIST を使った数字認識

◆画像認識 実践編
9 章 CNN による画像認識
10 章 チューニング技法
11 章 事前学習済みモデルの利用
12 章 カスタムデータの画像分類
講座 Python入門、NumPy入門、Matplotlib入門

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レビューワー

Yu Ohta

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