ChatGPTの頭の中

書籍キャッチコピー
何が起きているのか? ChatGPTの生みの親サム・アルトマン絶賛「最高の解説書」
著者名
スティーヴン・ウルフラム (著), 稲葉 通将, 高橋 聡 (翻訳)
出版社名
早川書房
価格
1012
ページ数
168
出版年月日
2023/07/29


本書のポイント

  • ChatGPTを構成するニューラルネットについて、基礎から解説している
  • ChatGPTがどのように言語を認識しているかがわかる
  • ChatGPTのブレイクスルーが人間の言語とその背景にある思考の本質について示唆がある

レビュー

“ChatGPTの頭の中” は、最近話題になっているLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を理解したい学習者にとって必読の一冊である。

本書では、OpenAIのLLM、ChatGPTの深層に迫る詳細な解説が展開されている。具体的には、ChatGPTのニューラルネットワーク構造の理解を助けるだけでなく、言語処理モデルがどのように言語を認識し、そして驚くべきことに人間の言語とその背景にある思考の本質を捉えているのかを解説している。

本書は、ニューラルネットワークの基本的な概念から始まる。ニューララルネットワークは、単純な構成要素から柔軟性の高い「計算機構」を作り出し、それを段階的に修正できるように学習するという思考の基盤である。この中で、ニューラルネットワークの学習とは、規則性を発見し、データを圧縮するプロセスであることなど、深く説明されている。

特に興味深いのは、ChatGPTのブレイクスルーが人間の言語とその背景にある思考の本質についての理解を深める助けとなる、という部分だ。ChatGPTは、一見単純明瞭なニューラルネットワーク構造を持ちながらも、人間の言語を生成するという驚くべき能力を備えている。

また、本書はただ単にChatGPTを賞賛するだけではない。LLMとしての限界と弱点も明らかにし、どのような状況でChatGPTが困難に直面するのかを説明している。

本書は2部構成となっており、第1部ではChatGPTの内部機構と機能について、第2部では著者の開発しているWolfram|Alphaとの関連性とその強大な計算知識の利用について考察している。全体を通して、ChatGPTが言語処理においてどのような役割を果たし、なぜそれが機能するのかについての理解を深めることができる。

“ChatGPTの頭の中“は、AIやデータサイエンスに興味を持つ人にとって、価値ある一冊だ。人工知能が人間の言語と思考をどのように模倣するのか、そしてそれがどのように我々の理解を変えるのかを探求する際の貴重なガイドとなる。

目次

第1部ChatGPTは何をしているのか、なぜ動くのか
・実は、1つずつ単語を足しているだけ
・確率はどこから求めるのか
・モデルとは何か
・人間と同じような処理をこなすモデル
・ニューラルネット
・機械学習とニューラルネットの訓練
・ニューラルネットの訓練の実践と知見
・「ネットワークが十分に大きければ何でもできる」のか
・埋め込みの概念
・ChatGPTの内部
・ChatGPTを訓練する
・基本的な訓練の次にあるもの
・実際にChatGPTを動かしているもの
・意味空間と「意味論上の運動の法則」
・意味文法と計算言語の力
・ということで、ChatGPTは何をしているのか、なぜ機能するのか

第2部Wolfram|Alpha 計算知識の強大な力をChatGPTに
・ChatGPTとWolfram|Alpha
・基本的な例から
・そのほかの例をいくつか
・今後の展望

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レビューワー

Toru_Hasegawa

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