シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成

書籍キャッチコピー
この国は、もう一度立ち上がれる。
著者名
安宅和人
出版社名
ニュースピックス
価格
2640
ページ数
437
出版年月日
2020/02/18


本書のポイント

  • 日本の現状の悪さ加減について、ファクトベースで多角的に分析された結果を理解することができる。
  • AI×データ時代においてAI-ready化がなぜ必要か、またそのポイントが示されている。
  • 「創造」、「刷新」こそが大切な時代に求められる「異人」の人材像とスキルが分かる。
  • 人材育成、社会エコシステムの変革、運動論としての「風の谷」等、未来のために日本が進むべき道が示されている。

レビュー

日本には不安と停滞感、現実を直視しない楽観、黄昏感が満ちている。ではその正体は何なのか、何が問題なのか、どう変えていけばいいのか、これらを明らかにするには現在の経済のルールや知的生産のルールの変化等、広域なテーマについて総合的に、かつファクトベースで議論する必要があるが、そういった文献は少ない。

本書ではAI×データ時代を俯瞰し、上記のような現在の日本の問題をファクトベースで網羅的に分析し、進むべき方向性を情熱的に語っている。全体を読み解くと、AI×データ時代で如何にデータサイエンスなどの技術を駆使できる人材が重要で、どのように求められているのかが分かる。それは日本でデータサイエンティスト協会を創立した著者の想いでもあり、データサイエンティストを始めとするAI×データ時代の主役が進むべき道を示す羅針盤である。

1章では現在の状況がファクトベースで語られている。Alpha Goがトップ棋士を破った歴史的戦いから始まり、データ×AIの世界では変化を指数関数的に捉えることが必要であり、また知的生産そのものが変わることが示されている。ここではAIというものがどんなインパクトを与えているかが主眼に説明されている。詳細な技術を学びたい方には別の専門書をおすすめする。

2章では日本の現状の悪さ加減と目指すべきAI-ready化の道筋が示されている。日本の現状は目を覆いたくなる状況だが、そこにある希望や道筋を知ることは、データサイエンティスト始めとするAI×データ時代の主役たちが持つべき課題意識を明確にすることに役立つ。

3章では「創造」、「刷新」こそが大切な時代に求められる「異人」について語られている。時代の前提が変わってきている現代において重要な能力や考え方を知るのに最適な章だ。

4章〜6章では人材育成、社会エコシステムの変革、運動論としての「風の谷」等、未来の日本をどのようにしていくかの議論がフォーカスされている。未来にかけられる国にするために、残すに値する未来を創るために変革すべきものは多い。しかし、悲観する必要はない。本書の冒頭と最終章で繰り返し語られている「未来は目指し、創るものだ」という言葉の通り、我々が行動することで変えられる未来があることを本書を通じて学ぶことができるからだ。

AI×データ時代に生きるすべての世代、職種の日本人にとって示唆があると同時に、人材育成を担う、また自らデータサイエンスを学んで行く方々にとって羅針盤となる一冊である。

目次

1章 データ×AIが人類を再び解き放つ――時代の全体観と変化の本質
2章 「第二の黒船」にどう挑むか――日本の現状と勝ち筋
3章 求められる人材とスキル
4章 「未来を創る人」をどう育てるか
5章 未来に賭けられる国に――リソース配分を変える
6章 残すに値する未来

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レビューワー

Toru_Hasegawa

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