だから僕たちは組織を変えていける やる気に満ちた「やさしいチーム」の作り方

書籍キャッチコピー
みんな、数字を追う虚しさに、気づき始めている。
著者名
斉藤徹
出版社名
クロスメディア
価格
1880
ページ数
304
出版年月日
2021/11/29


本書のポイント

  • チームが変わるために必要な考え方が、経営学・組織論・リーダー論などの複数の観点、”結果”ではなく”関係性”という視点で解説されている。
  • 目指すべき組織の3つのモデル(学習する組織、共感する組織、自走する組織)の特徴とそこに至るための道が示されている。
  • 本書のポイントや図形がわかりやすくまとまった資料が著者ページ(https://dakaboku.jp/)にて公開されており、読むだけではなく実践しやすいようサポートされている。

レビュー

チームマネジメントに関わる書籍を読んでほとんどの本に共通して書いてあることは、リーダーのリーダーシップであり、主体性のない社員をどう”管理”して、よい”結果”を得るか、ということだ。そういうことを学びたい方に本書はおすすめしない。本書は”結果”ではなく”関係性”に焦点を当てているからだ。

本書はチームを生まれ変わらせたい、現在のチームの抱える問題の本質を知って解決したいと考えるすべての人にとって現状を見つめ直し、変えていくための行動をする勇気を与えてくれる指南書だ。

私たちが日々抱えているチームに関する悩みが「なぜ起きてしまうのか」「どのように対処すればよいのか」について、精神論ではなく、メンバーの価値観といった意識の観点、組織構造的な観点、メンバー間の交流の観点、リーダーのあり方の観点等、多くの視点から説明されている。その中で、最も重視されているのはチームメンバー間の「関係性の質」だ。チームの思考が変わり、行動が変わり、結果が変わる。結果を変えることではなく、「関係性の質」を変えることが何故大切なのか、どうやって行くのかを本書はクリアに解説してくれている。

また、知識社会に置いて目指すべき組織像として、3つのモデル(学習する組織、共感する組織、自走する組織)に分けて解説されている点も本書の特徴だ。それぞれの組織の特性、うまくいかなくなる要因、そこに至るための構造・交流・意識の変革方法が示されている。3つの組織を実現するためのエッセンスは関係・思考・行動の質の向上であり、各章で事例や研究結果をもとに丁寧に実現方法が示されている。

加えて、著者のウェブサイトにて本書のポイントが整理された資料も公開されており、重要な考え方を何度も見ながら、チームメンバーと共有しながら学び実践することができる点も魅力的だ。

チームの関係性・生産性・創造性を改善したい、組織を変えたいと思うすべての人にとって指針になる一冊だ。

目次

1章 時代は変わった。組織はどうか?―僕たちの違和感は、どこからくるのだろう
2章 これからの組織は、「統制」から「自走」へ―僕たちが目指す、理想の組織とリーダー
3章 リーダーは、強がりの仮面をはずそう―安全な対話で、関係の質を変える
4章 チームを動かす、北極星を見つけよう―意味の共有で、思考の質を変える
5章 アメとムチを捨て、好奇心を解き放とう―内発的な動機づけで、行動の質を変える
6章 たったひとりから、影響の輪は広がる―だから僕たちは、組織を変えていける
巻末付録 これから組織を変えていく「スモールイノベーター」のあなたに

参考:https://dakaboku.jp/

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レビューワー

Toru_Hasegawa

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