データマネジメントが30分でわかる本

書籍キャッチコピー
足りないのはAIじゃない! データへの愛だ! データ資産管理バイブル”DMBOK"を独自要約! 安心・安全・簡単を実現する11のキーワード!
著者名
ゆずたそ, はせりょ
出版社名
Kindle
価格
500
ページ数
181
出版年月日
2020/03/12


本書のポイント

  • データ資産活用のバイブル”データマネジメント知識体系(DMBOK)”のエッセンスが要約され、具体的な活動の進め方をケーススタディを通じて学ぶことができる。
  • 各章は30秒コース、3分コース、30分コース、3時間コースに分かれており、知りたい詳細度に応じてデータマネジメントを学習することができる。
  • ケーススタディではWeb系の事業会社での実際の取り組みが中心となって取り上げられている。

レビュー

データ活用を進めていくと、データ活用上の色々な課題(データの品質が良くない、マスタ管理ができていない、メタデータがない等)が次々と見つかりデータマネジメントが必要であることに気づく人は多い。そして、データマネジメントを学ぶ際に最もベースとなるバイブル的な書籍といえばデータマネジメント知識体系 第2版(以下、DMBOK)だ。一方で、DMBOKの内容は抽象度が高く、重厚であるため初学者が読んで理解することは難しい。

本書にはデータマネジメントを学びたい初学者や、現在データマネジメントに取り組んでいる実践者がデータマネジメントを学び、行動するために必要な知識・事例が詰まっている。

具体的には、本書ではDMBOKで紹介されている11個のデータマネジメント領域を初学者が30分で読めるように噛み砕いてまとめられている。その中で特徴的なのはそれぞれの章の中身が30秒コース、3分コース、30分コース、3時間コースに分かれており、知りたいことの詳細度別に読み進むことができる点だ。実務を担う人ほど詳細に、逆に管理職やデータマネジメントの責任者は大まかな概要だけを短時間で学ぶ、といった使い方ができる。

また、具体的な活動をイメージできるケーススタディがあることはDMBOKではなかった特徴だ。「勉強するだけではなく、行動するための書籍です」と著者が書籍紹介で書いているように、具体的な取り組みイメージが分かるような事例が紹介されている。現場の実務に活用できるヒントがきっと得られるはずだ。

データ活用に関わる全ての人にとってデータマネジメントの全体像を知るのに役立つ一冊だ。

目次

【01:データアーキテクチャ】
・データが発生してからビジネスに活用されるまでのアーキテクチャ図はあるか?
・アーキテクチャの改善計画はあるか?

【02:データストレージとオペレーション(DB)】
・ライフサイクル全体に渡ってデータを適切に保存しているか?
・データベース、ストレージの保守運用は十分に安定しているか?

【03:データ統合と相互運用性(ETL)】
・必要なフォーマットとタイミングでデータを安全に提供できているか?
・データ統合のコストと複雑性を十分に削減できているか?

【04:データモデリングとデザイン(ER)】
・データの関連性を概念レベル、論理レベル、物理レベルで描けているか?
・データモデルの更新や参照は十分に効率化されているか?

【05:マスターデータ管理】
・マスターデータを正式なソースとして社内各所で利用できているか?
・マスターデータの更新や参照は十分に効率化されているか?

【06:ドキュメントとコンテンツ管理】
・ドキュメントを効果的かつ効率的に蓄積、検索、利用できているか?

【07:データセキュリティ】
・プライバシーと機密性に関する規制、ポリシーの遵守が十分になされているか?
・プライバシーと機密性に関するアクセス制限、監査が十分になされているか?

【08:データ品質管理】
・データ品質(サービスレベル:SLA)の基準、要件、仕様について定義できているか?
・定義の更新・測定・レポート・改善を継続的に実施できているか?

【09:データウェアハウジング(DWH)とビジネスインテリジェンス(BI)】
・データ利用者は効果的かつ効率的に分析と意思決定を行えているか?

【10:メタデータ管理】
・様々なデータソースのメタデータを十分に収集・統合できているか?
・メタデータにアクセスするための標準的な方法を提供できているか?

【11:データガバナンス】
・データ資産を管理するための役割分担、権限付与が十分になされているか?
・データマネジメントに関するルール、ポリシー、プロセス、評価、ツール、責任について関係者合意は取れているか?
・データの利活用は計画通りに進んでいるか?

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レビューワー

Toru_Hasegawa

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